今回は、もし何かあったときの運送人の責任範囲について見たいと思います。
運送途中の事故や損害については、一般的には、
「船社などの運送人が責任を負うのが普通」と考えられているんじゃないかと思います。
しかし、実際には船社など運送人の責任範囲は法律で大きく制限されています。
「ヘーグ・ルール」や「ヘーグ・ヴィスビー・ルール」などの国際条約、
そして、それをもとに各国で制定されている「COGSA」という法律によってです。
これは日本では「国際海上物品運送法」という名前の法律です。
一番元となる「ヘーグ・ルール」は、1924年に制定されました。
当時の海運はとてもリスキーだったことがその背景にあるようです。
その責任範囲の制限は条約によって若干異なりますが、簡単に言うと、
「コンテナ貨物の場合、上限は1コンテナあたりUS$500~US$1000程度」。
普通、貨物の価値ってそんな安いわけないので、
損害の多くの部分は荷主(売り手もしくは買い手)の負担となってしまいます。
また、その「上限US$500~US$1000」の責任についても、
以下の場合は免除されてしまいます。
・航海過失による損害
・船舶火災による損害
・天災や不可抗力による損害
・戦争やストライキ危険による損害
・共同海損や海難救助などによる損害
・荷送人もしくは運送品の所有者の行為による損害
・運送品やその荷造りによる損害
・海賊行為や争議行為、公権力による処分などによる損害
・その他法律により規定されている事実による損害
ということは、運送中にもし何かあったとしても、
船社などの運送人が責任を負うケースは非常に限られてくるし、
責任を負うとしても、その金額も非常に限られてくるわけです。
その分、荷主(売り手もしくは買い手)が対策を考えておかなければなりません。
それが貨物保険ということになります。
関連記事
「運送人の責任範囲について リスク対策 その2 (修正版)」
「いざという時のために リスク対策 その1 (修正版)」